さとkawaあそび6 手稲山麓 川の生き物さがし [活動報告]

手稲山麓 生き物さがし。 今日は中の川と三樽別川をじっくり、ゆっくり楽しもうということで始まりましたが・・・・

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あいにくの雨模様。
雨はめずらしいのです。いつもカラッと晴れるのに・・。でもまだ小雨。祈るような気持ちで活動開始。

参加者は大人7人子ども8人スタッフ8人+学生スタッフ1名計24名です。
新規参加者は3組。皆さんこの日の装備は万全でした。本当に好きで来て下さったんだなと感じました。
雨が降っていても関係ないんですね。嬉しかったです!

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中の川でも本当は川に入ってもらいたかったのですが、やはり雨の影響で生き物が少なかったのと、雨が激しくなってきたので、予めスタッフが採集しておいた生き物を見て観察してもらう事にしました。
姫田さんが詳しく生態について話します。

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マメシジミ

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ここでよく見られる水中昆虫ですが、トビケラやカゲロウの仲間、トンボの幼生などです。
石の下や隙間にいる種類や(クロマダラカゲロウやアカマダラカゲロウ)、泳ぎを得意とするもの(チラカゲロウやモンカゲロウ)などがいます。
小さい生き物なのでじっくり観察することで細かなところの違いが見えてきます。
例えばあごの形やエラの大きさ、とげの有無、背中に入る白い線や尾の数などなど・・・。知れば知る程奥深いと感じます。


ここから三樽別川に移動し、川に入ります。
ここでも生き物さがし。川の特徴や形状が違うため、また違った生き物も探すことができます。
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ハナカジカ

今日採取、または見られた生き物

(中の川)ウキゴリ・イバラトミヨ・スジエビ・ヌマエビ・モクズカニ・アメンボ・ヨコエビ・ミズカマキリ

(三樽別川)ハナカジカ・サッポロマイマイ・エゾマイマイ・ヒメマイマイ・オカモノアラガイ


カタツムリは活発に活動していました。
いつもより雨で活き活きしているように見えます。

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エゾマイマイ


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川から帰ってきて昼食の時間。今日はちゃんちゃん焼をみんなでいただきます。
手稲コミュ二ティーセンターに移動しました。

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いい香り。美味しそう・・・。
もうそろそろサケが手稲近郊の川に上がってくる季節になりましたね。


今日はいつもより多めに観察の時間を取っていただけに、天気が思わしくなくその点では残念でしたが、カタツムリの珍しい生態にも触れ知ることができました。また次回の観察会での多くの発見を期待したいと思います。

次回の活動は10月23日の予定です。
詳細が決まりましたらホームページの中でもご案内しますのでそちらもご覧ください。






さとkawa&さとmoriあそび5 星置川の数万年 地形の変遷とざわめく川の生きもの [活動報告]

今回の活動報告は さとkawa&さとmoriあそび“5”
コープさっぽろ共済企画“第3弾”「星置川の数万年 地形の変遷とざわめく川の生きもの」 です。
 
今回スペシャル講師として宏さん(元筑波大学教授池田先生)と美佐子さんを迎え
星置川と地形の変遷を見ていきます。
 
星置の滝→星置神社→星置会館と歩いて、星置の地形を体感し、
数キロメートルと数万年の旅に出てみましょう。
 
その後に砂を用いた実験水路で星置の地形の成り立ちを勉強します。
 
 
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まずは星置会館で集合です。
今回は星置会館にお世話になりました。
 
 
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今回の講師は宏さんです。
 
 
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(カシミール3Dにより作成)
これは星置の沖から手稲山を見た地形です。地形とは地面の高い低いなどの形です。
ここ星置では山地と平地の間に扇状地と呼ばれる緩い傾斜の土地があります。
 
扇状地とは山側を基点に扇型(扇子を開いた形)をしているため、そう呼ばれています。
川によって山側が削られその土砂が平地側に堆積する作用により作られます。
 
基点の部分を扇頂といい星置の滝付近です。扇状地の平野側の縁を扇端といいJRの走っているあたりです。
 
 
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(カシミール3Dにより作成)
これは星置扇状地の南北断面です。
星置の滝から左側が山地、
星置神社から右側が平地で、
星置の滝から星置神社までが扇状地です。
 
山地の急斜面から緩い扇状地の斜面、崖があって平地になります。
手稲西小学校付近は標高70m、星置に滝は10mほど低い谷になっている。
そして星置神社の北側は高さ20m程度の崖になっている。
その北側は標高4~7mの平地になっている。
 
 
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手稲西小学校付近のパンダ池(幅広水路)に移動。
今日は4km歩くので体と心をほぐしウォームアップです。
 
 
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星置の滝です。
 
 
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近づいたところ
ここは安山岩と呼ばれる火山でできた熔岩が固まった岩でできています。
岩は硬いのですが川により少しずつ削られて後退し、滝は上流側に移動します。
 
岩は崩れて石になり、石は角が削れて丸くなり石ころになります。
丸い石は川の作用など水とのかかわりで作られます。
 
 
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石ころなどが堆積してできた扇状地の緩斜面を下ります。
100m進むと5mくらい低くなる下り坂です。
 
 
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扇状地から山を見上げるとこんな感じ。
 
 
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左の5号線と右のJRの線路の間が20mの崖になっています。
 
 
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星置神社到着
 
 
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星置神社から海側(星置会館側)を見たところです。
5号線の向こう側が平地になっています。
 
実はこの5号線より先は6000年前には海になっていた。
崖は波によって削られてできたのです。
6000年前の人はここから海を見渡していたんですね。
 
 
ここで時間をさかのぼってみてみましょう。
 
 
◇今から3~2万年前
気温が7~8℃低く、氷河期になっていた。
海の水が蒸発し、雪となって陸に降り、大陸の上に巨大な氷床として蓄えられた、
その分海の水が減って海面は今より120mも低かった(ちなみに現在南極ある氷床がすべて解けると海面は60m上昇するといわれている)。
このため、海岸は今より遥かに沖に退いていた (海退) 。
山地は特に寒く木が育たないため森はなくなっていた。
そして森のない山からは大量の土砂が流出していた。この土砂により星置の扇状地が作られた。
 
 
◇今から6000年前
今度は気温が上昇し今より1~2℃気温が高くなり、海面は今より2~3m高くなった。
このとき星置駅まで海となっていて、波によって扇状地が削られて今の駅の南側の崖になった。
星置駅は当時の波打ち際だったのです。
このころから現在までは温暖な時期で、手稲の山は森になった。
このため、山から出る土砂が少なくなって星置川は扇状地を削り谷を作ったのです。
  
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JRの橋
ここは6000年前は海だった。
 
 
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星置会館手前まで来て山を振り返る。
今は森に覆われた手稲山、2万年前は森がなかったんだ。
どんな感じに見えていたんだろう。
 
 
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川で生き物探し。この辺を星置川が流れるようになったのは、ほんの30年くらい前のことなんだ。
 
 
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ヌマチチブ
 
今回確認した生き物は
ヤツメウナギ(幼生)
ヤマメ
ヌマチチブ
ウキゴリ
カンキョウカジカ
モクズガニ
スジエビ
カワニナ
コオニヤンマ(ヤゴ)
 
 
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星置の歴史の説明
6000年前は星置扇状地から砂丘がのびて紅葉山砂丘になっていた。
そして、ここが当時の海岸線だった。
今は銭函から石狩砂丘がのびて海岸線になっている。
 
 
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扇状地の形成を再現。子どもも大人も真剣に見ていました。
石(砂)が上流から流れてくると扇状地が広がっていきます(2万年前)。
石(砂)が上流から流れてこなくなると扇状地が削られて谷ができます(6000年前から現在)。
 
 
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手稲の山々を背景に記念写真。
 
 
今回は数万年の歴史の中で
星置の扇状地、星置駅の南の崖や現在の星置川についてみてきました。
宏さんの言う「ほんの数万年前」の風景を想像するのも面白いですね。

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